2024年の日本では、記録的な猛暑が続きました。夏季(6月~8月)の平均気温は、観測史上最も高い記録を更新し、例年にない暑さが国中で感じられました。特に7月29日には、栃木県佐野市で41.0℃を記録し、国内最高気温を更新しました。また、大分県日田市や熊本県熊本市でも猛暑日が歴代最多となり、これまでの気候パターンを大きく変える異常気象となりました。
気象庁のデータによると、太平洋側の沿岸部では湿度が高く、体感温度が40℃を超える日が続きました。一方、内陸部では乾燥気味の猛暑が見られ、特に都市部ではヒートアイランド現象が深刻化し、夜間も気温が下がらない「熱帯夜」が記録的な数にのぼりました。
2024年の猛暑は昼間だけでなく夜間にも影響を及ぼしました。特に「熱帯夜」が増え、エアコン未使用で睡眠中に脱水状態に陥り熱中症を発症するケースが報告されています。家庭内での対策として、夜間も適切にエアコンを使用することや、就寝前の水分補給が求められています。
2024年5月から9月にかけての救急搬送者数は97,578人で、過去最多を記録しました。特に猛暑がピークに達した7月には、全国で月間30,000人以上が搬送されています。
「暑熱順化」とは、暑さに慣れるために体の調節機能を高める取り組みです。2024年は例年以上の暑さにより、暑熱順化が重要視されました。しかし、その認知度が十分とは言えず、特に高齢者や子どもに向けた教育が求められています。
2024年の夏には、運動会や屋外活動中に熱中症を発症する子どもが増えました。学校や保護者が協力して以下の対策を講じることが必要です。
猛暑によりエアコンの利用が増加した2024年、電力消費量が急増しました。特に7月の電力需要が前年同月比15%増加したことで、電力供給ひっ迫のリスクが浮き彫りとなりました。
電力制限や停電が発生した場合、エアコンが使用できず、熱中症リスクがさらに高まる可能性があります。
2024年の猛暑は、熱中症の深刻さを再認識させる出来事となりました。気象状況に適した行動や対策、暑熱順化の普及、労働環境の整備など、多岐にわたる対応が求められています。特に、電力消費と熱中症の関連性を考慮した上で、長期的な気候変動への適応が今後の課題となるでしょう。
これらの取り組みを通じて、熱中症リスクを低減し、安全で快適な生活を送るための意識を高めていきましょう。
年々、夏の暑さは厳しくなってきています。2025年以降もその危険性は低くならないでしょう。熱中症の後遺症など、恐ろしさがわかってきた今、工場の管理者としての対策は必須です。 こちらのページでは、工場ごとの熱中症対策や、実際に導入された対策の事例を紹介しています。熱中症対策でお困りの方は、ぜひチェックしてみてください。
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当調査チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。