ここ数年で増加傾向にある職場での熱中症被害。
高温の現場が多い工場も例外ではなく、
現場の安全衛生管理者には早急な熱中症対策が求められています。
ですが、熱中症対策といっても、何から手をつけたらいいかわからない方がほとんどでしょう。このサイトでは、基礎知識から実際にどのような対策を施すべきなのか、専門家の知見をまじえて解説します。
当メディアはZenken株式会社の「工場 熱中症対策」編集チームが制作し、運営するサイトです。熱中症対策の分からない点、疑問点について「熱中症予防労働衛生教育インストラクター」の資格を持つ、株式会社鎌倉製作所の石井匡さんにお聞きしました。
熱中症が起きやすい環境の主な特徴は、「気温が高い」「湿度が高い」「風が弱い」の3つ。密閉された空間で、かつ熱源があり、厚手の作業服を着用することも多い工場はこの3つの条件を満たしており、現場によっては激しく動き回るなど身体に大きな負担を強いられることも。つまり、工場は非常に熱中症が起きやすい職場と言えます。
実際、工場の作業者434人を対象にしたアンケートでは約48%が「同じ職場で熱中症になった人がいる」といると回答。また、約47%が、「働く工場の暑さ対策に不満」を持っているという、無視できない事実も浮かび上がっています。こうした事実を無視して熱中症対策を怠れば、社員の健康はもちろん、工場全体の生産性が低下する懸念も拭えません。
熱中症が起こる原因には、大きく分けて「環境」と「身体」の2つがあります。高温多湿で風通しが悪い環境で熱中症が起こりやすいのは前述の通りですが、「身体が暑さに慣れていない」「疲れが溜まっている・寝不足」といった体調も大きく影響します。工場内では、高負荷の作業を行うこともあるため、工場内の暑さ・湿度低減対策を行うとともに、個人でもしっかり休憩・睡眠をとるといった個別の対策を行うことが大切です。
職場での熱中症死傷者数は、2021年は547人(死亡者数は20人)。959人(死亡者数は22人)だった2020年と比べると減少傾向にあるとはいえ、とても無視できる数値ではありません。
とりわけ工場などの製造業は業種別でみても建設業に次いで2位の16%と非常に高い割合で熱中症が起きている現場であり、早急な対策が求められています。「業種別屋内災害割合」では製造業は44%と最多。溶解炉などの熱源が近くにあり、高温多湿な環境下で作業を強いられるため、従業員は常に熱中症のリスクと隣り合わせと言えます。
WBGTとは「Wet Bulb Globe Temperature」の略で、体と外気との熱のやりとり(熱収支)に着目した指標のこと。熱中症リスクを判断する数値としてISO等で国際的に規格化されており、厚生労働省も活用を推進しています。
2021年に起きた職場での熱中症死亡災害20件のうち15件は「WBGT値の実測を日頃から行なっていなかった」というデータ(※)もあり、日本国内ではWBGTの普及は今一つという状況です。換言すれば、WBGT数値を測定していれば、熱中症のリスクはかなり抑えられると言えます。
測定には、黒球温度計(温度計が入った黒色の薄い銅板の玉)、湿球温度計(湿ったガーゼを温度計に巻いたもの)を使用。下記は、WBGTの計算式と「日本生気象学会」が公開しているWBGT簡易推定図です。工場で熱中症対策を行う際は、ぜひ活用してみてください。
WBGT値は「現場の熱中症リスク」を判断するための指標なので、現場の近くで計測する必要があります。その意味で簡易推定図の内容は目安としてとらえるべきです。
WBGT値が高いということは、その環境にいる人にとって、体内に熱がこもりやすく熱中症発症リスクの高い状態にあります。熱中症予防指針のWBGT値基準域が31℃以上の場合、その現場では、作業をせずにじっとしているだけでも体内に熱がたまるような危険な状況といえます。
このため、単に作業者を休ませるだけでなく、積極的に作業空間の冷却を行うなどして現場のWBGT値を下げる、WBGT値がなかなか下げられない現場では作業者を直接冷やすなどして熱中症リスクを低減する努力をしなければなりません。
基準域が「危険」に達していない場合でも、熱中症になるリスクはあるため、危険度に応じて適切な対策を講じなければいけません。
熱中症で新たな空調設備などを導入する場合、補助金の支給を受けられる場合があります。例のひとつが「エイジフレンドリー補助金」。高年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用している中小企業が対象で、エアコンだけでなく、空調服など人数分も利用が可能になっています。設備などによる熱中症対策を検討している方は利用可能かどうか、チェックしてみましょう。現時点(2023年4月時点)では令和5年度の申請受付は開始されていませんが、例年どおりであれば受付開始5月頃が、締切が10月頃の見込みです。
対象者 | ・年齢労働者(60歳以上)を常時1名以上雇用している ・事業者労働保険に加入している ・次の①~③のいずれかに該当する事業者であること |
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①業種 | ②常時使用する労働者数 | ③資本金又は出資の総額 |
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製造業、建設業、運輸業など | 300人以下 | 3億円以下 |
工場での作業中に起こった熱中症は、労災として認定される場合があります。ただし、業務中の熱中症全てが対象になるわけではなく、熱中症が起きやすい「暑熱な場所」での業務に起因するものに限られています。寝不足など、従業員側の個人的な事情による場合は労災認定されないので、注意が必要です。
企業は、従業員のために快適かつ安全な職場づくりをしなくてはなりません。環境を整備しないからといって法律に違反したり罰を受けたりすることはありませんが、熱中症被害を出してしまった場合は、社会的な信用を失う・損害賠償を請求されるなど大きな損失となる恐れがあります。適切な対応を行い、熱中症被害を防ぎましょう。
空間が広く、天井が高い工場内で熱中症を防ぐには、空調など設備による対策だけでなく、個人の対策を組み合わせるのがおすすめです。まず行いたいのが、身体を暑さに慣れさせること。日頃から日頃から運動や入浴をして汗をかきやすくしておきましょう。また、水分補給や健康管理、衣類を工夫することも大切です。
ここまで説明したとおり、工場は熱中症が起きやすい現場と言えます。熱中症を起こさないためには、現場の状況を把握するだけでなく、作業者を熱さから守る具体的な対策も検討していく必要があります。ここでは、大型空調などの設備と空調服などのウェアに分けて、特徴をまとめました。
全体・大型空調とは、工場の空間全体を広く冷却してくれる設備のこと。大規模な配管工事が必要なうえ、作業者個人を冷却しにくい点はデメリットですが、カバー範囲が広いため、「全体を程よく冷却したい」という工場に向いていると言えるでしょう。製品によって、冷房能力や導入費・ランニングコストなどが異なるので、自社に合った空調を選びましょう。
適用温度の目安 | 25~40℃程度 |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 大空間(フロア全体) |
ゾーン空調とは、吹き出し口の調整によって狙ったエリアを直接冷却できる設備のことです。全体空調の課題を補ったような装置であり、「作業場や機械があるエリアだけを冷やしたい」「冷却する作業者の場所が一部の空間に偏っている」といった場合におすすめ。基本的にはダクトレスで、フレキシブルに設置できる点なども魅力です。
適用温度の目安 | 25~40℃程度 |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 中空間(フロアの一部)~大空間(フロア全体) |
スポットクーラーとは、キャスター付きでどこへでも移動できる、少人数用クーラーのことです。作業者の近くで風を送るため、「作業者や製品をピンポイントに冷却したい」「屋外での作業などに使いたい」といった工場・現場におすすめです。大がかりな工事も必要なく、全体・大型空調などに比べて導入費用もかかりません。
適用温度の目安 | 27~35℃程度 |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 小空間(個人・周辺) |
ミストファンとは、水が蒸発する際の気化熱を使って周囲を冷却する冷房機器のこと。全体空調やエリア空調ほど冷却範囲は広くありませんが、周囲の温度を3~5℃程度下げることが可能です。穏やかな涼しさなので、エアコンなどの強い冷風が苦手な場合にもおすすめ。卓上型などもあり、費用を抑えて手軽に導入することができます。
適用温度の目安 | 25~40℃程度 |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 中空間(フロアの一部) |
冷風扇・冷風機は、冷たい風を送り出し、特定の場所を部分的に冷却する設備です。どちらも水を利用して空気を冷やすため、スポットクーラーより冷却効果が高いものの、同時に湿度も上がる点は要注意です。使用時は室内の湿度が上昇しないように換気を行いましょう。キャスター付きの製品なら、必要な場所に移動して気軽に使うことが可能です。
適用温度の目安 | 25~33℃程度 |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 中空間(フロアの一部) |
保冷材・ドライアイス付きウェアとは、専用のポケットに保冷剤を入れ、身体を冷やせるウェアのことです。一般的にはメッシュベスト型で、両脇や背中上部にポケットが付いています。単独で着用するのはもちろん、空調服のインナーとして着用するのもおすすめ。相乗効果で空調服を快適に着用することができます。
適用温度の目安 | 約25~50℃ |
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持続時間 | 30分~2時間(保冷剤次第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
ファン付き空調服とは、小型ファンが内蔵された作業着のこと。ファンが服の中に外気を取り入れ、汗を蒸発させて身体を冷やしてくれます。外気が暑いと冷却効果が薄いというデメリットはあるものの、価格がリーズナブルで屋外でも使用できる、オシャレなデザインが多数販売されているなどメリットもあり、近年注目を集めています。
適用温度の目安 | 約25~33℃ |
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持続時間 | 最長8時間(バッテリー次第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
作業着本体に張り巡らせたチューブに氷水を循環させて、身体を冷却するクールウェアです。ファン付き作業服などは、外気温が高いと冷却効果が弱くなりますが、水冷ベストなら、外気温に左右されずしっかりと冷却してくれます。外気を取り込めない高温の場所や、ウイルスや粉塵の危険性がある状況などでも利用することが可能です。
適用温度の目安 | 約25~40℃ |
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持続時間 | 最長8時間(保水量次第) |
対応範囲 | 小空間(個人) |
チラー水冷式身体冷却システムとは、チラーで作った冷水をウェア内のチューブに循環させ、作業者の身体を効率的に冷却する装置のことです。外気温に影響されることがなく、しっかりと冷却効果を作業者に伝えることが可能。室内への排気や排熱もないため、風を嫌う現場や防爆エリアなどでも導入されています。
適用温度の目安 | 25~50℃ |
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持続時間 | 半永久的(電源次第) |
対応範囲 | 小空間(個人・周辺)~大空間(フロア全体) |
40℃を超える酷暑の現場も少なくない工場において、必要になるのはやはり冷却効果。
高温に晒されながらも冷却効果を発揮する設備やウェアを調べました。さらにその冷却効果がどれだけ長持ちするかもリサーチしました。
冷却効果が高く、長持ちする熱中症対策の設備や服・ウェアを各公式HPに記載されている情報をベースに定量的に調査してみました。その結果、最も冷却効果が高く、長時間利用できる熱中症対策は、チラー水冷式身体冷却システムという結論になりました。
ミストファン、スポットクーラーなどの送風機器は外気温に左右されるため、高温下での冷却効果が高くありません。防護服や衛生服を着用する場合は、さらに冷却効果を感じにくいでしょう。
保冷剤付きベストは高温下でも冷却効果は見込めますが、1~2時間ほどで保冷剤が溶けてしまうと効果はゼロ。その都度保冷剤を交換しなくてはならず、かえって手間が増えてしまいます。
チラー水冷式身体冷却システムCOOLEXなら40~45℃の環境下でも10℃の冷水を作り出し、作業者個人を長時間しっかり冷やしてくれます。室内への排気や排熱もないことから、今まで難しかった酷暑現場でも、確かな冷却効果を実感することができるでしょう。
熱中症対策を講じるうえで、管理者が考慮しなければいけない事項の一つは、工場の空間の広さ。広々とした空間であれば、フロア全体を冷却できる設備が必要となりますし、作業者単体を冷やしたいなら個人で着用するウェアなどが考えられます。こうした空間ごとに応じた設備・ウェアの特性をまとめてみました。
数百人を収容できるような大空間工場の場合、フロア全域を満遍なく冷却できる「全体・大型空調」や特定のエリアを冷却できる「ゾーン空調」が重宝されます。これらよりも冷却範囲は狭まるものの、低コストで導入できるのが「冷風扇・冷風機」や「ミストファン」。キャスター付きで移動できるため、フロアの一部を冷却したいときにおすすめです。空間というより作業者個人を冷却したい場合は保冷剤付きベスト、ファン付き、氷水式ウェアなどのウェア類が挙げられます。
やや特殊なのが、チラー水冷式身体冷却システム。これはチラーから冷水を専用ウェアに循環させるシステムで、大空間であっても複数の個人を十分に冷却できるという特徴があります。「大空間だと冷却効果が薄い」「ウェアや服では複数人を同時に冷やせない」といったこれまでの熱中症対策の設備やウェアで抱えていた課題を解決できるシステムと言えるでしょう。
「大空間であっても個人を十分に冷却できる」という熱中症対策の新たなソリューションとして注目を集めているのがチラー水冷式身体冷却システム「COOLEX」。7~20℃の冷水をホース通して専用ウェア内に循環させ、酷暑現場であっても防護服を着ていても作業者個人をしっかり冷却します。同時に複数人を冷却できるシリーズ「COOLEX Multi」もラインナップ。当編集チームはこの「COOLEX」に注目し、商品の詳細や実際の導入事例について取材してみました。
一口に工場といっても、室内環境や作業条件は様々。例えば、食品工場であれば衛生服を着ながら作業者を冷却できるか、化学工場であれば粉末が飛ばないよう送風せずに冷却できるか、などそれぞれの現場によって多種多様な課題を抱えています。 ここでは、株式会社鎌倉製作所COOLEX事業部に協力いただき、それぞれの工場・現場ごとに課題を解決した事例をピックアップして紹介します。
食品工場では、加熱調理の工程で熱を使ったり、大量の水蒸気が発生して高温多湿となったりする場合があります。また、作業者は衛生服やマスクを着用している上、食品は乾燥や冷えを嫌うため、作業者個人をピンポイントに冷やす対策がおすすめです。
これまでは既存の設備で我慢してきましたが、ここ3年ほど、温暖化の影響からか夏はどうしても我慢出来ないくらい暑くなってしまい、何か良い対策は無いか困っていました。 COOLEXを導入してからは、脇や首を冷やしているおかげで、汗をかく量が減りました。次の作業に移る際も疲れが少ないのでスムーズです。また、これまでは1人あたり1時間程度の作業で交代していましたが、2時間は連続作業が出来るようになり、生産量が増えました。温度調節も可能なので、一人ひとり自分に合った温度設定で使用しています。今年の夏を乗り越えれたのはCOOLEXのおかげだと思っています。
化学工場にはさまざまな機械や化学物質があり安易に送風ができない、防護服やマスクを使用して作業する場合もあるなど、常に熱中症の発症リスクを抱えています。化学工場で熱中症を予防する場合は、風を出さず、作業者個人を冷やす対策を検討しましょう。
原料を投入攪拌し分散を行う、塗料製造の仕込み作業。攪拌中は熱が発生するため、夏場の作業温度は40℃にまで上昇します。 粉を扱うため作業域に風が流れてくる大型空調は使用できず、水の侵入を嫌う生産ラインがあるためミストタイプも導入できない中で、COOLEX-Multiを導入。防爆区域で機器を工場内に設置できないことから、大型チラー2台で対象作業場12か所に各々約40mの冷水配管をしていく計画で進めました。導入後は「身体が冷え作業がしやすくなった」「身体が楽になった」など現場からの声があり、熱中症対策として効果を感じています。
溶接現場では常に火花が飛び散っているうえ、粉塵・ヒュームが発生するため、防護服や防塵マスクなどの装着が不可欠。こうした分厚い装備のうえから、いくら涼しい風を送っても効果は薄く、エアコンなどの空調では対策は難しいと言えるでしょう。溶接現場ではいかに防護服の中を冷やすかが重要になってきます。
溶解された鉄を移送鍋で次工程に移す中で、鍋底に残る地金をガス溶断により解体する作業を行っています。作業場の温度は50℃を超え、厚手の防護服も着用しているため、非常に過酷な環境です。 そこで、大型チラーで複数名同時に使用できるCOOLEX-Multiを導入。2階に3名、1階に1名の計4名で同時作業を行っていますが、作業場から離れた所にチラーを設置したことで、より冷却効果を感じることができています。
閉め切った空間の物流倉庫も、真夏には屋内の気温が40℃を超える場合があります。見落とされがちなのがフォークリフトの作業時。エンジンからシートに熱が発生し、座席部分が汗でびっしょりになることも…。フォークリフト自体に空調がついている製品がほとんどないため、工場独自の個別対策が求められています。
暑さと腿の裏の蒸れのせいで夏はフォークリフトに乗るのが嫌でしたが、COOLEX-V151を導入した今年の夏は快適でした。何より導入前は30分もしないうちに暑さに耐えられなくなり休憩を取らざるを得ない状況でしたが、導入後は長時間の作業も苦にならずに作業が続けられ、仕事の効率もかなり上がりました。チラーは専用バッテリーで運転していますが、休憩時間など使用していない時間に充電することで作業中のバッテリー切れは有りませんでした。
塗装作業は基本的に密閉空間で行うため、ブース内の温度は真夏には40℃以上にもなります。作業中は防塵服と防塵マスクを付けなくてはならない上、塗装ブースでは大型の扇風機やミストを散布する空冷装置なども限定的にしか使えません。 このため塗装ブースでの熱中症対策には、作業者個人だけを冷却するウェアがおすすめです。
金属加工部品への塗装作業では、作業場の温度が約40℃。湿度もあり、高温高湿の厳しい作業環境です。 これまで使っていたスポットエアコンは、塗装作業に影響がないよう、設置場所や風向きに気を使わなくてはならず、効果が感じられませんでした。 COOLEXはスポットエアコンと比べて、商品に結露の発生がなく、また風も発生しないので塗装作業には適しています。 ホースの脱着もワンタッチで簡単な上、ウェアも薄く作られているため、作業への影響もなく快適です。
防爆エリアでは、防爆対応の空調機器でないと使用ができません。また、定期的な換気が必要なため、エアコンなどの空調設備では効果が不十分です。熱中症対策を行う場合は、適度な休憩と水分補給を行うだけでなく、防爆対応の空調機器を導入するなど、対策を行うことが大切です。
夏場は作業温度が40℃まで上昇する環境で、工場扇やスポットエアコンを使用していましたが、あまり効果が感じられませんでした。防爆区域のため空調服は使用できない、保冷材冷却ベストは持続時間に問題があるなど熱中症対策は大きな課題でしたが、風の発生や工場内に水の噴霧がないCOOLEX-Multiを導入。チラー2台を工場外に設置し、作業場12か所に各々約40mの冷水配管をしていく計画で進めました。「身体が冷えて作業がしやすくなった」と現場でも好評です。
当メディアはZenken株式会社のNE-KETSU編集チームが工場の熱中症対策についてリサーチし、制作したサイトです。熱中症対策の分からない点、疑問点について株式会社鎌倉製作所COOLEX事業部に取材協力いただきました。
健康管理士一般指導員<資格番号H-301775>
(株式会社鎌倉製作所COOLEX事業部)
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(平日9時〜18時)
重症の場合、当日中に亡くなることも
熱中症は一言でいえば、「体の調節機能が崩壊してさまざまな症状を発症する病気」です。しかも病気の進行が非常に早く、重症の場合、その日のうちに亡くなることもある非常に怖い病気です。
一方で、熱中症は、他の病気と異なり、その原因が発症者のいる環境と直接的に関係しています。言い換えると、環境を整えれば、かなりの割合で熱中症の発症を防ぐことができます。
しかし、現実的には毎年20名程度の労働者が熱中症で不幸にも命を落としています。特に製造現場、建設現場での災害数が高止まりしています。
事業者には従業員の安全を配慮することが義務付けられており、熱中症をはじめ、あらゆる労働災害発生のリスクをなくすように努力しなければなりません。作業環境の最適化は、生産性向上にもつながるわけですから、対策をしないという選択肢は無いはずです。